渡り鳥というとガンやハクチョウの均整のとれた編隊が目に浮かびます。
V字型の編隊や直線型の編隊をなして、大空を進む風景は郷愁を誘います。 V字型の編隊を組む理由は、先頭の鳥が巻き起こす乱気流に乗って、後方の野鳥は体力を温存できるからです。 これはマラソン選手が先頭を敬遠するのと同じです。 でも野鳥はマラソン選手とは異なり、先頭を順番に交替しながら、群れ全体のエネルギー消費を最小に抑える方式で過酷な渡りを行います。 ハクチョウが渡りをするときの高度は2000-3000m、山岳を越えるときやジェット気流に乗るときは高度6000-8000m、速度100km~150km/H以上にも達し、熱くなった飛翔筋を-40℃~-50℃の外気で冷やしながら驚異の飛翔を続けます。 このように過酷な渡りのエネルギー源はいったい何から得ているのでしょう 人間を含めた動物や鳥類の筋肉には白筋(瞬発力)と赤筋(持続力)の2種類があります。 白筋はグリコーゲンをエネルギー源として、短距離走などの無酸素運動の際に使われる。 赤筋は脂肪を燃やして得られるエネルギーで長距離をゆっくり動くのに使われる。 野鳥は長距離飛翔の際最初は白筋で一時間ほど飛び、気流に乗り高度が安定すると白筋の二倍のエネルギーが得られる赤筋に切り替えて効率的にエネルギーを使いながら渡りを続けます。
by ffsuzuki
| 2008-02-27 02:51
| 野鳥の生活
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